JEIAニュース

第19号
発行日 平成24年11月1日
一般社団法人日本エステティック工業会
広報委員会


エステティックポレーションの周知とお願い

さて近年、レーザーまたはフラッシュライト脱毛による事件等から見られるように、エステティック業を取り巻く環境は、景気の低迷からか些納なトラブルでもこれを増大化させるようなケースもあり、エステティック業に携わる事業者は、輸入・製造・販売業者はもちろん、エステティックサロンも、消費者への責任を認識し、「安心」と「安全』の商品及び技術の提供を行わなければならないと考えております。

しかしながら、現状のエステティック市場においてエレクトロポレーションを標榜する商品の中には、エステティックポレーションの安全規格に定める電気的要件や構造的要件とは大きくかけ離れた商品や、薬事法・表景法等に抵触の恐れのある広告・表現も見受けられ、早急にこれらの問題解決を図らねばならぬ状況にあります。つきましては、会員様各社には、お取引き先のエステティックサロン様などへ、次頁「エステティックポレーションに関する取り組み」についてご周知を賜り、お取り扱いのエレクトロポレーション標榜機器、化粧品について、安全性の確認ならびに広告表記等の見直しをご検討賜りますようお願い申し上げます。

敬具

2012年9月18日
一般社団法人日本エステティック工業会
エステティックポレーション委員会
委員長 浦 能久


「エステティックポレーション」に関する日本エステティック工業会の取り組み

今般、エステティック市場において、エレクトロポレーション機器またはそれに類似する機能名称を冠した商品が多数流通していることはご承知のとおりかと存じます。

このエステティック市場におけるエレクトロポレーション機器については、概ね電気的作用により肌への化粧品の導入あるいは浸透による美容効果を目的としたものであります。また、このエレクトロポレーション機探を利用した美容技術は、美容皮膚科等の医療機関でも「メソセラピー」と呼ばれる注射療法に対比して、注射器または針を用いない「ノンニ一ドルメソセラピー」といった呼称で提供されております。

そこで、このエレクトロポレーション機器およびその機器を用いた美容法について、医療領域とは異なるエステティック領域ならではの美容技術としての定義づくりおよび安全基準の確立を積極的に行うことが、消費者への安全・安心・満足の提供につながり、エステティック業界全体の健全化・活性化に寄与すると考え、日本エステティック工業会では2009年より、会員・非会員で構成される「エレクトロポレーション研究会」を発足させ、下記の活動をしてまいりました。


1.「エレクトロポレーション」から「エステティックポレーション」へ改称
従来、エレクトロポレーション(電気穿孔法)と称される技術および機器は、特に医療または生化学分野おける高度な実験等で使用されているものであり、エステティック市場において流通している機器とは、目的・構造・電気的特性が大きく異なります。

エステティックで使用する機器について、エレクトロポレーションを標榜することにより、事業者および消費者へ美容理論や作用原理の誤解を与える懸念、広告・キャッチフレーズ等の薬事法等関連法規に抵触する恐れ、一般的な観点から医療・生化学行為との混同の懸念などがあることから、名称をはじめとした差別化の必要があると考え、エステティック領織で使用する機擦の新たな名称を「エステティックポレーション機器lとしました。また、これに伴い「エレクトロポレーション研究会」も「エステティックポレーション研究会」へ改称しました。
2.エステティックポレーションの定義および安全基準を策定
エステティックとしての定義付け、安全基準・安全規格を定めることで、医療との棲み分け、エステティックの範閣を明確にしました。
エステティックポレーションの定義および安全規格
定義 【エステティックポレーション】
パルス電流を利用して、イオン化成分および非イオン化成分ならびに高分子成分を肌に浸透させ美容効果を高める目的で行うエステティックトリートメントであり、別途定める安全規格に準じた、専用のエステティックポレーション機器と機機製造販売元・輸入販売元が認める、その機器に対応したエステティックポレーション化粧品を使用して行うエステティックトリートメントをいう。
【エステティックポレーション機器】
パルス電流を利用して、イオン化成分および非イオン化成分ならびに高分子成分のエステティックポレーション化粧品を、肌深部に浸透させ美容効果を高める目的で使用する、別途定める安全規格に準じた機器をいう。
【エステティックポレーション化粧品】
エステティックポレーション機器に対応した、イオン化成分および非イオン化成分ならびに高分子成分を肌深部に浸透させ美容効果を高める目的を持つ化粧品であり、機器製造販売元・輸入販売元が認める化粧品をいう。
安全規格
構造的要件
プロープまたはヘッドに関する安全規格
機能に関する安全規格
動作表示に関する安全規格
安全規格
電気的要件
出力パルスに関する安全規格
単一故障状態が生じた時の接地漏れ電流、接地電流の安全規格
これによりエステティックポレーションは、機器の電気的、機能的、構造的安全規格だけでなく、使用する化粧品の安全性も規格化されることになりました。
3.エステティックポレーションの商標豊録
当工業会では、「エステティックポレーション」について商標登録申請を行い、第11類「民生用美容機器」として、商願2009-082654、第44類「エステティックの施術」として、商願2009-082653の登録がなされました。
4.エステティックポレーション研密会からエステティックポレーション委員会へ組織変更
エステティックポレーション委員会は、エステティックポレーション研究会が企画立案した各種基準をより具現化し、エステティック業界における実効性を高めるため、「エステティックポレーション機器適合審査制度」への移行と、日本エステティック振興協議会での審議を経て、NPO法人日本エステティック機構が推進するエステティック機器認証制度の新たな商品カテゴリーに付加することを目的とし設立されました。

現在、エステティックポレーション委員会では、安全基準の最終確認ならびにエステティックポレーション機器適合審査制度の開始に向けた準備を関係機関と協議しながら進めております。

以上、貴社におかれましては、「エステティックポレーション」と当工業会の取り組みについてご理解を賜り、お取り扱いのエレクトロポレーション標榜機様、化粧品について安全性の確認及び広告表記等の見直しをご検討賜りますようお願い申し上げます。

この件に関するお問い合せ先
一般社団法人日本エステティック工業会
エステティックポレーション委員会
住所:〒111-0055 東京都台東区三筋2-24-8 エステ会館7階
電話:03-6240-9910
FAX:03-6240-9930
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